カントン包茎、裏筋(小帯)を残した症例解説【症例番号3】
実際に、当院で治療を行なわれた方の症例を報告します。
(症例写真へのご協力、誠にありがとうございました)
症例について
10代男性。
カントン包茎。今までご自分で皮を剥いたことが無く、ご自身もご家族の方も「真性包茎」だと思われていました。診察したところ、慎重に行えば皮を剥くことができましたが、絞扼輪と呼ばれる強いくびれがありましたので「カントン包茎」の状態でした。
症例写真
左の通常時の写真の包皮の先端の細い部分、右の包皮を剥いた写真の白い皮膚と茶色い皮膚の間の締めつけが絞扼輪になります。
泌尿器科など通常は、絞扼輪を中心に赤線の範囲で包皮を切除します。
これがツートンカラー(亀頭側が白い皮膚、根元側が茶色い皮膚)になってしまう原因です。
亀頭の直下に傷がくるためには、青線の範囲で包皮を切除しますが、このまま切除すると、色々と問題が起こる可能性があります。専門的になるので割愛しますが、青線の範囲で絞扼輪をきちんと取り除き、かつ勃起時に皮が突っ張らない程度まで皮膚を切除し、傷痕をできるだけ目立たないようにするのが腕の見せ所になります。
ツートンカラーになることもなく、亀頭のすぐ下に傷を作成し、包皮も適度に取れています。
裏側からです。今回は、裏筋(小帯)を残す方法で行っています。直後の状態なので糸がついて、やや内出血しています。
また、細かいテクニックですが、裏筋の線が蛇行しており、何も考えずに皮膚を切除して縫合すると裏筋の線がずれてしまいますが、裏筋の線が繋がるよう治療しています。
当然、裏筋(小帯)を残しても、形成しても、裏筋の線が繋がるようにしても追加料金はかかりません(他院であればかかることが多いです)。
治療概要、合併症について
・腫れ(治療後ほぼ起こります。陰茎や亀頭が腫れます。数日で治ります。)
・内出血(多少起こります。徐々に良くなります。)
・痛み(抜糸まで、特に勃起時に痛みがあります。)
・感度低下(敏感な内板部分を除去すると起こります。早漏防止になります。EDになるほどではありません)
・感染(起こったことはありません)
・傷周囲の硬さ(しばらく起こります。徐々に良くなります。)
・血腫(包帯が外れると起こり得ます。包帯が外れないよう工夫をしています)